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スーパーマーケット入口の掲示板や店内通路沿いに貼ってあるスタッフ募集の張り紙、ハローワークの求人票などに「日配担当」や「日配部門」、「デイリー担当」とよく記載されています。ちなみに「日配」は「にっぱい」と読みます。日配とは文字の示す通り「日々配達される商品(※生鮮部門の商品は除きます。)」という意味です。
このページを訪れた方はおそらくスーパーマーケットの日配部門の仕事に興味をお持ちの方ではないでしょうか。
この記事では日配部門で取り扱う商品やパートの方が主に携わる仕事内容についてご紹介しております。パートや短時間アルバイトでスーパーの仕事を携わってみたいとお考えの方は是非ご参照ください。
日配部門で取り扱う商品
日配部門で取り扱う商品は、「和日配(わにっぱい)」と「洋日配(ようにっぱい)」の2つに分けられます。
和日配
和日配の代表的な商品
豆腐・揚げ、こんにゃく・しらたき・ところてん、納豆、生麺、漬物、佃煮・煮豆・煮物、練り製品(かまぼこ・ちくわ・はんぺんなど)、ギョーザ・シューマイ・ワンタン、冷凍食品、卵
洋日配
洋日配の代表的な商品
乳製品(バター・マーガリン・チーズなど)、牛乳、チルド飲料(果汁飲料・野菜飲料・乳飲料・コーヒー・紅茶・緑茶・豆乳など)、ヨーグルト、デザート(プリン・ゼリー・要冷洋生菓子・要冷和生菓子など)、調理品(ピザ・グラタン・生パスタなど)、アイスクリーム、生菓子・餅、パン(店内ベーカリーコーナーで焼くパンは除きます。)
パートの方が従事する主な仕事内容
各企業により若干異なると思いますが、パートの方は主に店内売り場での業務がメインとなるはずです。パートの方が主に従事する仕事内容をご紹介します。
品出し
文字通り売場の陳列棚へ商品を出すことです。
品出しをするにあたって棚板や仕切り板が汚れている時は、クリーナーやタオルを使って清掃を行います。日配商品の場合、陳列する棚や仕切り板に水滴がつくこともあるため清掃をすることが多くなります。
「どの商品を」、「どこに」、「何フェイス」、「どのくらいの数で」、「どのように」陳列するのか計画で決められています。これを棚割りといいます。この棚割りに沿って商品を陳列します。バックヤードの商品冷蔵保管庫からケースやコンテナに入った商品、段ボールに梱包された商品を2段式台車やキャスターの付いた平台車に積載して売り場の陳列棚まで向かいます。バックヤードから売り場が近い時はコンテナを直接手に持って運びます。
1つ例を挙げると1ℓ紙パック牛乳の場合、ケースに12個入っています。牛乳が12個入ったケースを実際に手で持つとけっこう重いです。そのため2段式台車に積んだり、キャスターの付いた平台車(コンテナ台車と呼ぶこともあります。)に2ケースや3ケースを積んで移動します。
参考記事:スーパー品出し補充の基本的なやり方やコツ
また日配部門では冷蔵商品や冷凍商品を多く取り扱います。先程挙げた牛乳もそのひとつです。冷蔵ケースや冷蔵ケースに商品を品出しする際は、ロードラインと呼ばれる陳列の上限ラインを超えて陳列をしないよう注意が必要となります。
売場のどこに何があるのか早めに覚えることが大切
店内にある日配商品売り場のどのあたりにどんな商品を配置しているのを早めに覚えることが大切です。
また定期的に棚割りが変更となりますのでその際の商品配置を変更する作業も発生します。
日配商品売場は多くのお客さんが立ち寄るため、補充や手直し作業が頻繁に発生する。
日配部門の商品は、朝食・昼食・夕食のメニューに欠かすことのできない商品が数多くあります。そのため日配商品を陳列しているエリアは自然とお客さんが立ち寄る機会が多くなります。また「日持ちがしないのであらかじめたくさん買っておくことができず、都度定期的に購入する必要があること」、「価格が安く購入しやすい商品が多いこと」も影響しています。立ち寄る機会が多いため商品を手に取って頂ける機会が多いのです。
商品が次々売れていくと、売り場での欠品を防止するため商品補充の機会が多くなります。また多くのお客さんが商品を手に取っていくと陳列棚に凹凸が生じてきます。凹凸が生じることで棚の奥まで手を伸ばさないと商品を手に取ることができないケースも出てきます。そのためストレスを感じることなく商品を手に取って頂けるよう、棚の前まで商品を出す「前出し」と呼ばれる手直し作業を行う機会も多くなります。
値引きをした商品と当日入荷した日付の新しい商品を同じ棚へ陳列することも多いです。
参考記事:値引き商品と日付の新しい商品が同じ陳列棚にある時の手直し
棚へのPOP・販促物の設置
本部からPOPや販促物の基となるデータが店舗パソコンに送信されてきます。このデータを印刷し切り取るなどして売り場の平台や冷蔵棚へ設置を行います。
冷蔵平台や冷蔵ケースの温度チェック
日配食品の多くは要冷蔵商品や要冷凍商品です。そのため冷蔵・冷凍機能のある平台や冷蔵の多段ケースに陳列する必要があります。冷蔵平台や冷蔵ケースをよく見ると温度が表示されている箇所があります。この表示されている温度を一定時間毎にチェックし、温度に異常がないか、設備の不調がないか調べる作業を行います。
スーパーに買い物に行った際、冷蔵ケースに「故障中」や「メンテナンス中」といった張り紙が貼ってあるのを見たことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。冷蔵ケースの故障は時折発生するのですが、ある日突然不調となることが多いです。
温度チェックの作業中、温度が高くて下がらない状態が続く場合は、バックヤードにある冷蔵保管庫や冷凍保管庫へ陳列していた商品を移動させる対応をとります。また陳列していた商品に臭いが発生していないかなど商品が劣化していないかのチェックも行います。設備の故障・不調があった場合は複数人で対応することもありますので、行っている仕事が一時中断することもあります。
発注作業
入荷した商品が売れ続けると売り場の冷蔵ケースから商品がなくなっていきます。売場の冷蔵ケースに商品がなければお客さんは買い物ができません。また商品がなければ店舗は売上をあげ利益を計上することができません。
そこで商品を仕入れる作業が必要となります。この仕入れをするための作業が発注です。売場の冷蔵ケースの辺りでタブブレット端末とタッチペンを持って作業をしているの見たことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。あの様子が発注作業です。私が勤務している職場も含め多くの企業では、タブレット端末を操作し発注データを作って送信する形となっています。
私が勤務している職場ではパートとして日配部門の担当となり仕事に慣れてくると、「麺類」や「漬物」など決められた売り場の発注作業も担当することになります。これは私が勤務している職場だけではなく、他の企業でもパートの方が発注を行っているケースがあるはずです。しかし5時間などの短時間パートの方が発注作業を担当するのは正直荷が重いのではと感じています。1日の商品の売れていく様子や動きが掴めないからです。
発注作業は気を遣う。
日配商品は日付(消費期限)の短い商品が多いです。そのため天気や気温、曜日、店舗周辺地域の行事・イベント、他社のセールやイベント実施状況の影響を受けて在庫過多となり、値引きや廃棄扱いとなる商品が発生します。また発注量が少ないと昼前や夕方の来店客数の多い時間帯に冷蔵ケースに陳列している商品が少ない、あるいは欠品する状況も発生します。
品出しなど他の業務も担当しながら、季節、気温、日にち、曜日、他社の状況などなど様々な点を加味し発注を行います。また何時までに発注のデータを送信しないといけないとった時間的な制約もあります。先程、5時間などの短時間パートの方が発注の業務をするのは荷が重いと書いたのはこういった点もあるのです。
発注の業務は勘所を掴んだり、情報や経験を蓄積するために時間もかかります。また各企業や店舗により発注に関する方針が異なると思いますので、店長や上司(チーフ)の考え方に沿って作業を行っていくことになります。
値引き作業
端末を使用しての値引き作業。端末を操作して値引きシールを作成し商品に貼ります。値引き作業の前に商品の日付を確認する作業や前出し作業も発生します。
日配商品は日持ちがせず日付(消費期限)の短い商品が多いです。在庫過多となった場合、廃棄扱いとなり商品からまったく利益を獲得できない状態を防ぐ必要があります。そこで各企業の規定に沿って、20%引き・30%引き・50%引きなど段階的に値引きを行います。
参考記事:チャンスロス・廃棄ロスとは|スーパーマーケット用語の意味
またレジ担当の方向けに値引きした商品であることを分かりやすくしたり、レジ端末が商品バーコード(JANコード)を読み取らないようにするため、商品バーコードの上にシールを貼り付けます。
バーコードの上にシールを張り付けるのを忘れてしまうと、レジ端末が商品を通常の販売価格で読み込んでしまいます。するとレジ担当の方に価格を訂正する作業が発生し手間が増えることになります。またお客さんをレジにてお待たせする時間がいつもより長くなってしまいます。さらにレジに表示される価格が値引きされた価格ではなく、通常の販売価格となるためお客さんから「値段が違うよ」と不満を募らせてしまう原因となります。
そのため値引き作業は慎重な作業が必要となります。
参考記事:ロス率の計算方法|スーパーマーケットの数値「初心者向けの内容」
お客さんへの対応・接客
売場にいると「前あった○○(商品名)はもう置いていないの?」とか「○○(商品名)という商品はありませんか?」などお客さんから尋ねられることがあります。その際にお客さんを売り場へ案内するなど簡単な接客業務が発生します。
引き継ぎ作業
夕方や夜間の担当者との引き継ぎ作業。例えば「バックヤードの冷蔵保管庫に納豆がまだケースであるから4時頃売り場に出して欲しい」、「A社の牛乳が品切れになった時間を教えて欲しい」など連絡事項を口頭で伝えたり、連絡事項を書くノートやメモに記しておきます。
今後発注に必要となる情報を蓄積したり、ロスを防ぐために必要となる業務です。
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