クロスMD(クロスマーチャンダイジング)とは関連販売のことを意味します。
メインとなる商品の隣やそばに、関連商品を陳列して買ってもらうための情報発信や提案をしていく手法です。
青果・鮮魚・精肉部門の商品とグロサリー部門の商品を組み合わせることが多い。
関連販売はメインとなる商品の隣に、メイン商品に使うと味がおいしくなる関連商品を陳列することが多いです。あわせて調理をした完成写真の設置や印刷したレシピを置いてお客さんが持って帰ることができるようにしてメニューの提案をします。モニターを設置してVTRを流したり、販促ツールや什器を使用するといった工夫をすることもあります。
店舗側が関連販売を通して、お客さんが商品を美味しく食べるための情報を発信していきます。
メイン商品・関連商品ともにグロサリー部門の商品とすることもありますが、青果や鮮魚、精肉部門の商品をメイン商品とし、グロサリー部門の商品を関連商品として陳列をするケースがかなり多いです。青果や鮮魚、精肉部門の売り場でグロサリー部門の関連商品も併せて配置する形です。
メリットや効果
店舗の行う提案がお客さんに響けば、メイン商品とともに関連商品も手に取ってもらえます。お客さんが改めて違う売場に行き関連商品を探す手間が省けるため、買い物がしやすくなるというメリットがあります。関連販売により同じ売り場で一度に買えるようにするということです。
また店舗が提案や情報発信をすることで、来店したお客さんが、これまで知らなかった商品の食べ方や調理の仕方を知ることができるというメリットもあります。
店舗側にとってはお客さんに関連商品を手にとってもらうことにより、お買い上げ点数が増える、客単価(※お客さん1人あたりの平均売上高のことです。)や売上高が増えるというメリット・効果があります。
また滞在時間が長くなったり、客動線が少し伸びるという効果も出ます。
売上高や客単価の意味について紹介した記事:売上高を構成するもの要素|計算式を交えて紹介
クロスMDはどんな場面で行うことが多いか
クロスMD(関連販売)は主に次の場面で行うケースが多いです。
- 「肉の日」や「青果の日」などテーマのあるチラシやテレビ広告を出した時
- 季節性の高い商品(旬の商品)が出始めた時
- メーカーの新商品が発売された時
- イベントや地域行事が開催される時
- 市場からの入荷状況により、鮮度がすぐれたものや安価なものを販売できるとき
売場での事例
クロスMDの一例を紹介します。スーパーに買い物に行った際に、売り場で次のような関連販売を行っているのを見たことがあるはずです。
- 焼肉用の牛肉盛り合わせセットを広告の品とする場合、向かいのエンドに焼肉のタレを配置する。
- カレー用の豚肉の特売をする場合、向かいのエンドにカレールウを配置する。
- 秋のサンマが出始めた時に、大根おろし用に小分けにした大根を近くに陳列する。
- きゅうりや白菜の近くに浅漬けの素や漬物用の器具を陳列する。
- レタスを広告の品として平台に陳列する際に、そばにドレッシングやマヨネーズを配置する。印刷したレシピを置きサラダの作り方を提案する。
- 苺を平台に陳列し、その横や手前にキャスター付きの什器を使ってコンデンスミルクを陳列する。
- エンドに新商品のスナック菓子を陳列し、すぐ隣のエンドにペットボトルの炭酸飲料を配置する。
- パンの売り場にコーンスープやカボチャスープといった箱入りのスープの素を配置する。
- 防災の日や防災週間が近くなったら、催事売場に缶詰やレトルト食品、飲料水をメインに陳列し、関連商品として電池やカセットコンロと器具、懐中電灯といった防災用品も陳列する。
なお、メイン商品と関連商品をセットで購入すると割引となるいった訴求も可能です。