今回、スカウト型の就活サイトキミスカのサイト内で提供している適性検査に関する調査をしてみました。
実際に調査をしてみたところ、他社の就活サイトと比較して分析項目が多く内容が充実していると感じます。適性検査を終えると検査結果が表示されますが、得られる情報量が多く、折れ線グラフや棒グラフを使って視覚的にも分かりやすい印象を受けました。
適性検査はキミスカに会員登録を行い、自分の基本プロフィールを入力することで受検することができます。適性検査は無料で受検することができます。WEB上で受検を行い、結果もWEB上で確認することができます。
これから就職活動に取り組もうとお考えの方で何から始めたらいいのか分からない方や自分の将来に関する方向性がまだ決まっておらず自己分析をしたいとお考えの方の他、他の就活サイトをメインに利用している方で適性検査だけ受けてみたいとお考えの方にもおすすめできる内容だと感じました。
今回はキミスカのサービス内容や適性検査のやり方・内容、結果の見方、分析項目、適性検査の結果を踏まえての活用方法などの使い方を紹介します。
公式サイト:キミスカ
キミスカとはどんなサービスか
学生の方がキミスカに会員登録をして、学校名や希望する業種・職種、希望する勤務地、自己PR、保有資格、趣味、所属サークルなど自分のプロフィールを登録します。
学生の採用活動を行うためキミスカを利用している企業の担当者が、キミスカに会員登録をしている学生の中から自社の求める人材を検索します。企業の担当者がキミスカを使って学生のプロフィールを閲覧し検索を行い、コンタクトを取りたい学生にスカウトメールを送ります。
企業の担当者は、学生の方がキミスカのサイト内で受検した適性検査の結果を確認することができます。そのため企業側は学生の方が受検した適性検査の結果を踏まえて、自社に合っていそうな学生や自社に来てほしい学生へコンタクトを取れる仕組みとなっています。
学生の方が就職活動の中で自ら企業を探して応募するのではなく、採用活動を行う企業側が自社の求める学生を探してコンタクトを取るのが特徴です。学生の方は自分のプロフィールを登録して、企業からのコンタクトを待つ形となります。自分から希望する企業を探すという機能はありません。
キミスカは学生と企業をマッチングする役割を担います。これまでの説明をまとめると下の画像のようなイメージとなります。
就職活動にあたり、現実的には自分の希望する企業を探してアプローチできる大手の就活サイトとキミスカのようなスカウト型の就活サイトを併用していくケースが多いと感じます。
偽らない就活をテーマに掲げている
キミスカは株式会社グローアップさんが運営しています。
キミスカのトップページにアクセスすると「偽らない就活を」と記載されています。
各企業の求める人物像に合わせて履歴書を書いたり、面接時にその人物像に近い人間であることを演出するために話を大幅に盛ることで内定を獲得することが現在まで行われてきていると思います。内定を獲得するため以前から行われていることは周知の事実です。
これは学生の方にとって内定の獲得がゴールとなってしまい、その後の社会人生活のことはまだ頭になく想像できないからだと思います。
そのため入社して実際に働いてみると、何だか違うとギャップを感じることになり早期に退職してしまうケースも出てきます。採用をした企業も採用のためにコストが発生します。また入社後の育成にも時間やコストが発生します。そのため新卒採用をした方が早期に退職してしまうことは企業側も損失となります。早期に退職してしまうことは学生と企業のお互いにとってマイナスです。
就職活動を行うのは半年や1年弱などのわずかな期間ですが、その後は所属する企業で長い時間を過ごすことになります。
そこで「偽らない就活を」と掲げることで、学生の方には話を盛ったり飾ったりせず自分らしさをアピールしてもらい、企業側にはリアルをできるだけ包み隠さず伝えていくことで、採用におけるミスマッチを減らしていくことが株式会社グローアップさんの目的としてあるのだと感じています。
スカウトメールで説明会やインターンシップ、選考会の案内がくる
企業の担当者が気になったコンタクトを取りたい学生へスカウトメールを送信し、企業説明会やインターンシップ、選考会の案内をします。
学生の方はスカウトメールの内容を確認して気になった企業があれば、企業説明会やインターンシップ、選考会へエントリーするとうい流れです。企業からのスカウトメールが自分に響かなかったり、何か違うなと思ったらエントリーしなくてもよいという仕組みです。
エントリーするかどうかは学生の方が決めることになります。
学生の方は費用が発生せず無料でキミスカを利用することができます。採用活動を行う企業に料金が発生する仕組みです。
スカウトメールは4種類
学生の方に送られてくるスカウトメールは企業側の重要度・本気度によって以下の4種類に分類されます。
プラチナスカウトと本気スカウトについては、各企業が毎月送ることのできる通数が決まっています。プラチナスカウトと本気スカウトは、企業にとって重要度・本気度が高いスカウトとして学生に送信します。
キミスカを利用している学生の方は、自分に送られてくるスカウトメールの種類を確認することができます。つまり本気のスカウトなのか、それともとりあえず送ってきたスカウトなのかが分かるということです。
プラチナスカウト | 企業から学生の方に送信されるスカウトメールの中で0.5%しか送られない超特別なメッセージ | 企業が送れる通数 月30通 |
本気スカウト | 企業から学生の方に送信されるスカウトメールの中で1%しか送られない特別なメッセージ | 企業が送れる通数 月100通 |
気になるスカウト | 企業が学生の方に強くアピールしたい時に送るメッセージ 学生の方に会社の存在を知ってもらうために送られるメッセージ | 企業が送れる通数 制限なし |
通常メッセージ | 企業が送る最も標準的なメッセージ | 企業が送れる通数 制限なし |
企業の採用選考に関する進捗情報を登録できる
キミスカでは、自分自身の企業の採用選考に関する進捗情報を登録できるのが特徴です。
他社の採用選考に関する進捗情報をキミスカに登録しておくことで、「○○株式会社の最終選考まで進んでいる方なら弊社もコンタクトを取ってみたい」と興味を持ってもらえる可能性があるということですね。その結果、異なる企業の担当者からスカウトメールが届く可能性が高まります。
公式サイト:キミスカ
検査を受けるには会員登録をして基本情報の入力が必要
適性検査を受けるためにはキミスカへ会員登録を行い、基本情報(基本プロフィール)を入力する必要があります。
会員登録
会員登録の際、以下の情報を入力します。
- メールアドレス
- キミスカへログインする際のパスワード
- 卒業予定年
上記3点の情報を入力して登録すると会員登録が完了します。
他の就活サイトでは必要な情報を入力し仮登録を行った後、登録確認メールを確認してから本登録を行うサイトもありますが、キミスカの場合は仮登録を行う必要がありません。3点の情報を入力して登録するとそこで会員登録が完了する仕組みとなっています。
他の就活サイトと比較して会員登録作業が簡単な印象を受けました。
基本情報の入力
基本情報(基本プロフィール)については以下の情報を入力します。
- 氏名
- 性別
- 電話番号
- 学校名・学部・学科・専攻
- 希望する業種・職種
- 希望する勤務地
- 自己PR・過去の印象的なエピソード・将来なりたい自分像
他の就活サイトでは自分の特徴やスキル、学生生活の中で経験したアルバイト・部活・サークル・ゼミの内容を記入するケースもあります。
キミスカの場合、プロフィールの入力項目も他の就活サイトと比較して少ない印象です。
「自己PR」や「過去の印象的なエピソード」、「将来なりたい自分像」については、完成形のものを記入しなくても構いません。作成途中の段階でもプロフィールとして登録することができます。適性検査を受検するなどして自己分析を深めた上で「自己PR」や「過去の印象的なエピソード」、「将来なりたい自分像」の箇所を書き直すことも可能です。
適性検査の内容
適性検査の受検にあたって次の点を求められます。
- プロフィール写真のアップロード
- 基本プロフィール編集画面で生年月日の入力
スマホやデジカメで自分の顔写真を撮影して、キミスカにログイン後の「マイページ」内に顔写真画像をアップロードします。画像のデータは「JPG」「PNG]「GIF」形式のいずれかにします。
どんな検査か
- 質問は全部で150問 回答の制限時間はありません。
- 質問に対し「当てはまる」「やや当てはまる」「どちらともいえない」「やや当てはまる」「全く当てはまらない」の中から1つを選択して回答します。
- 30問毎に次のページへ移動します。
- 質問は、自分の性格・気質や物事の考え方、普段とっている行動、仕事に対する考え方・取り組み方、自分の体調面、収入に対する考え方に関するものです。
サイト内の適性検査の画面内に、回答時間目安として15~20分で終了する旨が書かれています。質問に対しあまり悩まず回答を進めていけば10分前後で終わる印象です。
適性検査を受ける際のポイント
適性検査を受ける際のポイントとしては、検査を受ける時点や1~2時間前の自分の状態を回答内容に反映させないということです。例えば今自分がイライラしている状態の場合、そのイライラの状態を回答内容に反映させていくと、診断結果もイライラが反映されたものとなります。
そのため過去3か月間の自分や過去6か月間の自分をベースにして回答をすると、自己分析を深めるためのツールとして利用できる診断結果を得ることができます。
公式サイト:キミスカ
ーインターンシップ専用のWEBテスト対策ツールー
WTI(WebTest for Internship)は大手企業や人気企業のインターンシップの際に実施されることの多いWEBテスト専用の対策ツールです。
WTIを導入し自宅のパソコンを通してWEBテストの対策学習をしたり模擬試験を受けることができます。WEBテスト本番と同じような環境を体験することで、事前にWEBテスト独特の特徴を把握したり、受験時のパソコン操作感覚や環境に慣れておくことができます。
WEBテスト対策の書籍を1冊購入するのとほぼ変わらない料金で、「玉手箱」「SPI WEBテスティング」「TG−WEB(従来型)」「Web-CAB」の4種類のテストの対策・練習と模擬試験を受検することができます。
インターンシップ時のWEBテスト対策の必要性を感じている方は一度ご参照ください。
公式サイト:WTI(WebTest for Internship)
関連記事:実際に購入してみました。WTI|インターンシップ時のWEBテスト対策ツールの特徴を紹介
分析項目
全質問への回答を終えると、次の10項目について分析結果が得られます。
1.性格の傾向 |
2.意欲の傾向 |
3.思考力の傾向 |
4.ストレス耐性 |
5.価値観の傾向 |
6.ネガティブ傾向 |
7.職務適性 |
8.自分のビジネスにおける戦闘力 |
9.受検した適性検査の虚偽回答の傾向 |
10.自分に関する人物像と人材活用について |
性格の傾向
自分の性格の傾向を測定したものです。
活動性・社交性・慎重性・新奇性・固執性・主体性・決断性の7項目について、それぞれ得点が表示されます。各得点を線で結んだ折れ線グラフが結果として記載されます。
意欲の傾向
自分の活動意欲の高さを測定しています。
向上欲求・挑戦欲求・自律欲求・探求欲求・啓発欲求・承認欲求・エネルギーの7項目について、それぞれ得点が表示されます。得点が高いほど意欲を持って仕事に取り組む傾向にあることやこれから各項目の能力が伸びていく傾向があることを示しています。
7項目の得点を棒グラフで示して結果が記載されます。
思考力の傾向
直観力・論理力・実行力・共感力の4項目についてそれぞれ得点が表示されます。得点が高いほど仕事をする際に高い能力を発揮できる可能性があることを示しています。
4項目の得点を棒グラフで示して結果が記載されます。
ストレス耐性
精神的耐性・身体的耐性の2項目について得点が表示されます。得点が高いほどストレス耐性が強くストレスに強いことを示しています。
2項目の得点を棒グラフで示して結果が記載されます。
価値観の傾向
働くことに対する自分の価値観の傾向を測定したものです。
公益志向・成長志向・金権志向・享楽志向・安定志向の5項目についてそれぞれ得点が表示されます。
各得点を線で結んだ折れ線グラフを示して結果が記載されます。
ネガティブ傾向
仕事をする際に心理面・情緒面についてネガティブになりやすいかどうかの傾向を示しています。
非自尊傾向・気分傾向・悲観傾向・非倫理傾向・モラトリアム傾向・不適応傾向の6項目についてそれぞれ得点が表示されます。得点が高いほどネガティブになりやすい傾向であることを示しています。
6項目の得点を棒グラフで示して結果が記載されます。棒グラフを見ると、各項目について自分が「許容」「注意」「要注意」「ハザード」のどの状態にあるのかが分かります。
職務適性
職務適性の項目では次の8つの職務に関する自分の適性を分析し得点が表示されます。
得点が高いほど適性が高いことを示しています。
- 人間関係を築いていく職務
- フットワークの軽さを必要とする職務
- リーダーシップを必要とする職務
- 過去に事例のない新しい職務
- 反復・継続的な職務
- 企画力や創造力を必要とする職務
- 丁寧さ注意深さを必要とする職務
- 情報を集め問題を分析する職務
8つの職務に関する得点を棒グラフで示して結果が記載されます。棒グラフを見ると各職務に関する適性について「適応が低い」「要努力」「適応しやすい」のどの状態にあるのかが分かります。
就職活動を進めていくにあたり、自分が希望する職種について適性があるのかどうかが分かります。また自分が思ってもいない職務について適正があることが分かるきっかけにもなります。職務適性の項目は非常に参考になります。
なおこの項目では、具体的に営業に適性があるとかオフィスワークに適性があるとか逆に経理については適性が低いなどの具体的な職種を示しての分析は行っていません。
戦闘力
戦闘力と記載されていますが、総合力や総合評点のことを示しています。自分の戦闘力が得点として記載されます。
自分の得点が棒グラフに表示され、平均値より低いのか、平均値に近いのか、平均値より高いのかが分かります。
虚偽回答の傾向
今回受検した適性検査について、自分が虚偽回答を行っている傾向があるかどうかを示しています。
0~10の11段階で虚偽回答の傾向があるかどうかを示しています。最後にコメントが記載されています。
自分の人物像と人材活用について
今回受検した適性検査結果の総評がコメント形式で記載されています。次の内容が記載されています。
- 性格面に関する長所・短所
- ストレス耐性の分析結果を踏まえてのコメント
- 意欲面の長所・短所
- 思考力面の長所・短所
- 検査結果を総合的に判断した上で自分に適性のある職種を具体的に分析・コメント(営業や経理、設計、監査、検品、品質管理など適性のある職種を具体的に示してもらえます。)
- 検査結果を踏まえた上で、企業(職場)の中でどのようなポジションに配置するのが望ましいかについてのコメント
これから就職活動を進めるにあたり自分の適性職種を予測してもらえるため、適性職種に関する分析・コメントについては目を通しておくのがおすすめです。コメントの中にさらっと記載がありますのでよく目を通したほうがよいです。
短所に関する記載はかなり的を得ていて当たったいる印象です。自分でも短所だと薄々感じている点をズバリと指摘してくると感じています。
公式サイト:キミスカ
ーサイト内で性格検査と言語系・非言語系の能力検査が受けられるー
株式会社Reccooが運営するスカウト型就活サイトmikketaでは、会員登録をするとサイト内で性格検査と言語系・非言語系の能力検査を受けられるサービスを実施しています。
選考時に実施されるWEBテスト対策をしたいとお考えの方やキミスカ以外のスカウト型就活サイトにご興味のある方は一度ご参照ください。
公式サイト:mikketa
関連記事:mikketa会員登録|サービス内容・特徴、適性検査で分かる事を紹介
結果の見方・結果はいつ分かる?
150問の質問に回答をし回答内容を送信します。すぐに回答送信が完了します。
回答送信が完了すると、すぐ診断結果が分かります。
キミスカのサイト内の「プロフィール」の中の「適性検査」を選択し、つづいて「結果を見る」を選択すると診断結果が表示されます。
dodaキャンパスのように適性検査の結果についてPDF出力をすることができる就活サイトもありますが、キミスカの場合はPDF出力をすることができません。
診断結果を受けてサイト内の自己PRを充実させていく
診断を受けたらそれで終わりではなく、サイト内の「詳細プロフィール編集」ページへ移動して、ページ内の「自己PR」欄や「過去の印象的なエピソード」欄、「将来なりたい自分像」欄の内容を充実させたり、「人物像(自分の人となり)」欄を入力する作業をしていきます。
自分のプロフィール内容を充実させていくことで、企業からスカウトメールを受け取る可能性を高めていくことができる仕組みとなっています。
適性検査を終えることで「就職活動をしている」という満足感を感じるかもしれません。ですがそこで終わりではなく、その結果をサイト内の「詳細プロフィール」にも反映させていきましょう。
調査をしてみたところ、キミスカのマイページに入力できるプロフィール項目は他の就活サイトと比較して少ない印象を受けています。
少ないプロフィール項目の中で自分の特色を出していくには、プロフィール内の「自己PR」・「過去の印象的なエピソード」・「将来なりたい自分像」・「趣味」といったある程度文字数を入力できる箇所に詳細な情報を入力したり、自分らしさの出る内容やオリジナリティのある内容をを記載していくことだと感じます。
詳細な情報や自分らしさの出る内容を記載することで企業の担当者の目に留まりやすくなり、プラチナスカウトや本気スカウトを受けられる可能性が高まっていくのだと感じています。
適性検査のやり直しはできるか
全質問に回答をし回答送信が完了すると、適性検査のページには「すでに適性検査を受検済みです。」と表示され、「結果を見る」という項目が表示されます。
当初あった「検査を始める」という項目はなくなっており、適性検査のやり直しをすることはできません。そのため適性検査の2回目の受検をすることはできません。
補足ですが、dodaキャンパスで提供している適性検査GPSは学年ごとに1回受検することができるという特徴があります。
参考記事:dodaキャンパスの自己分析ツール適性検査GPSのやり方を紹介
「自己分析のため自分の現在の状況を客観的に把握できるツールであること」や「診断結果により企業から送信されるスカウトメールにも影響があること」、「キミスカの適性検査の分析項目が多く内容も充実していること」を踏まえ、事実に沿って正直に回答することやある程度真剣に取り組むことを念頭に置いておきましょう。
公式サイト:キミスカ