客動線とは、来店したお客さんが売り場の中を行ったり来たりした際の移動した跡のことです。
スーパーマーケットをはじめとした多くの小売店では、客動線を少しでも伸ばすためにあらかじめ計画・工夫が行われています。客動線を伸ばすことで、来店したお客さんが色々な商品を見たり手に取る機会が増えます。そしてカゴに入れて購入してもらえる可能性が高まります。
店内のレイアウトが長方形になっているスーパーマーケットの場合、店舗奥の第2磁石と呼ばれるあたりまで歩いてきてもらえるよう工夫がされています。下の画像のイメージです。店舗の奥まで足を運んでもらうことで、客動線と滞在時間が伸びます。
関連記事:磁石売場とは|スーパーマーケット用語
例えば店舗奥(第2磁石)の向かいやその付近に、モニターを設置して自社のプライベートブランド商品を紹介する映像を流して、映像で紹介したプライベートブランド商品を配置するといったことが考えられます。その他、店舗の奥のほうから店内BGMとは異なるミュージックや音声が聞こえてくるようにして、音を使い店舗の奥へ引き寄せることも行われています。
またモニターの存在や店舗の奥から聞こえてくる音に気付いてもらうためには、少し通路を歩いてもらう必要があります。少し通路を歩いてもらうには、通路上にワゴンや平台を設置しPOPを使うなどして、そこにお得な値引き商品や話題になっている商品の他、特定の季節になる売れると商品を陳列してワゴンまで足を運んでもらうようにします。これはモニターの存在や店舗の奥から聞こえてくる音に気付いてもらいやすいエリアまで、足を運んでもらうための工夫です。
その他、関連性のある商品を配置することで、お客さんを知らず知らずのうちに誘導して客動線を伸ばしています。惣菜部門を例に挙げてみます。かき揚げが欲しいと思って惣菜コーナーのかき揚げのある場所に行ったとします。かき揚げの隣には、エビやかぼちゃ、サツマイモ、レンコンなどの天ぷらがあります。
その隣には焼き鳥や揚げもち、から揚げ串、フランクフルトがあります。さらにその隣にはトンカツやコロッケ、から揚げ、白身魚のフライ、魚のから揚げ、イカのから揚げやフライがあります。隣に行くと春巻きや麻婆豆腐、焼きそばが。また隣にはきんぴらごぼうや煮つけを配置し、次々と関連のある商品が配置されているとします。
このように関連性のある商品を配置させていくことで、知らないうちに少しずつ客動線を伸ばしてもらえるよう工夫が行われています。
同じ商品でもパックのサイズを変えて陳列するといった方法も行っています。例えば同じから揚げでも小サイズのパック・中サイズのパック・大サイズのパックを揃えてSKUを拡大して陳列することで動線を伸ばしていくことが考えられます。
関連記事:SKUとは商品の最小分類のこと|スーパーマーケット用語の意味