この記事ではスーパーマーケットの磁石売場の意味についてご紹介しております。スーパーでの仕事に興味をお持ちの方やパートタイマーなどでこれからスーパーマーケットで勤務を予定されている方は是非ご参照ください。
磁石売場とは お客さんを引き寄せる売り場のこと
磁石売場とは、スーパー店内の他の売り場と比べて特に目立つ場所や来店したお客さんが思わず足を止める売り場のことをいいます。磁石のようにお客さんを引き寄せる魅力的な売り場という意味から磁石売場やマグネット売場と呼ばれています。磁石売場を店内の各所に配置し、お客さんに店内の様々な売り場へ足を運んで頂けるよう店舗側が日々様々な工夫を凝らしています。
磁石売場の種類
磁石売場は大きく分けて4つあります。その4つを簡単にご紹介します。
第1の磁石売場
第1の磁石売場は店内の壁沿いにある売り場です。イメージしにくい方は下の画像も併せてご参照ください。具体的には野菜や果物の売り場、精肉売り場、鮮魚売り場、日配コーナーや惣菜の売り場が第1の磁石売場にあたります。
壁沿いにある売り場に面した通路をメイン通路(主通路)といいます。
第2の磁石売場はメイン通路が交わる角の部分
メイン通路のつきあたりにある売り場を第2の磁石売場といいます。メイン通路角の左右にある売り場のことです。
メイン通路の進行方向にあるため自然と目に入り目立つ売り場となります。鮮魚やお刺身の売り場、総菜売り場、日配コーナーが第2の磁石売場となることが多いです。
第3の磁石売場はエンドや平台
第3の磁石売場はエンドや平台です。広告掲載商品や新商品の他、今売れている商品、季節ものの商品、特価品を陳列することでお客さんに足を止めて頂き、商品を手に取ってもらう役割があります。また平台やエンドからサブ通路にある隣接する売り場へ誘導する中継地点の役割もあります。
エンドや平台に関する記事もあわせてご参照ください。
参考記事:エンドとはその場所は|スーパー品出し用語
参考記事:平台とはその役割は|スーパー品出し用語
第4の磁石売場はサブ通路に設けた売り場
エンドや平台からサブ通路に入ったエリアが第4の磁石売場となります。サブ通路に入ったエリアの中でも棚の最下段が他の段より飛び出しているため目立つ箇所やあまりお客さんが通らない売り場であることから改善のため、新商品や特価品を配置し、お客さんを誘導するために店舗側が企画・施作を練った売り場のことを指します。
「磁石売場」というワードは実際にスーパーの現場で使用しているのか
私の職場の場合、ミーティングの時や店内売り場・バックヤードで作業をする際、「磁石売場」や「マグネット売場」というワードは使用していません。単純に「鮮魚売り場」や「鮮魚売り場の向かいにある冷蔵平台」、「牛乳売り場や日配コーナー」、「日用雑貨売り場」など具体的な呼び方をしています。
個人的には「磁石売場」や「マグネット売場」というワードはマーケティングの場面で使用することが多いのだと推測しています。テレビ番組でこれらのワードが出てくることもあります。テレビ番組でスーパーの仕事に関する特集を放送した際に、「磁石売場」や「マグネット」といったワードを聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
マグネット効果を出すためにスーパーではどんなことをしているのか
磁石売場のため目立つという理由だけで、お客さんに立ち寄ってもらえるものではありません。店舗側はお客さんに立ち寄ってもらうために工夫を凝らしています。ここでは野菜売り場を例として紹介していきます。
力を入れて販売したいものは目立つPOPを使用したり、目立つようフェイス数を多くとりボリューム感を出して陳列しています。少量の野菜が欲しいというニーズもかなりあります。例えば1人暮らしの方向けに野菜を少量にカットして陳列・販売も行います。また献立(メニュー)の提案も行います。献立の提案を行う場合は、献立に必要な材料や調味料を関連商品として近くに配置します。例えばキャベツやピーマンの近くに回鍋肉やチンジャオロースのレシピと一緒に回鍋肉の素やチンジャオロースの素といった関連商品を陳列する、キュウリの近くに漬物の作り方に関するレシピと一緒に漬物の素を配置するといった方法です。ドレッシングを陳列するのも1つの方法です。
店舗に来店される方はいつも頻繁に買い物に来ている方だけではなく、たまたまフラッと立ち寄った方やはじめて来店された方もいらっしゃいます。そのため短時間で効率よく買い物ができるよう関連商品を陳列することでお客さんの利便につなげています。
野菜は種類も多く、料理の方法も豊富です。スーパーでは店内に入ってすぐ野菜売り場があるケースが多いです。今日の夕飯をまだ何にするか決めていない場合、売り場に行ってどんな商品があるのかを見て夕飯のメニューを決めることが多いはずです。スーパーに入ってすぐに野菜売り場がある場合、野菜売り場はお客さんの買い物のスタート地点となります。野菜を起点として今日の夕飯のメニューや明日の朝食のメニューを考えることもあります。とりあえず野菜売り場に行ってどんなものがあるのか見てみようというケースが多く店舗にとって野菜売り場は重要な売り場なのです。
周囲の売り場の影響から磁石の効果が弱まることもある。
周囲にある売り場の影響により、磁石売場の本来持つお客さんを引き寄せる効果が弱まることもあります。
先程、メイン通路が交わる角にある第2の磁石売場をご紹介しました。例えば第2の磁石売場付近に設置している平台に超特価品や人気商品を陳列することで平台にお客さんが集まってしまい、お客さんが第2の磁石売場に立ち寄る機会が減少するようなケースが挙げられます。その他進行方向の通路中央に平台が設置されていると、平台が視覚的に目立つことになるため、単純に磁石売場が目立たくなることで素通りをされることも発生します。