この記事では、これからパートタイマーやアルバイトとしてスーパーマーケットで品出しの仕事をされる方向けに「棚割り」とは何か用語の意味をご紹介しております。
棚割りとは陳列計画の決定のこと
棚割りとは、商品を陳列する棚に「どの商品を」、「どこに(どの位置に)」、「何フェイスで」、「どのように」、「どのくらいの数で」陳列するのかを決定することです。もっと簡単にいうと売り場の陳列計画の決定です。
棚割りは本部や店長が決定します。本部で決定した棚割りを店舗で店長やチーフが微調整します。本部の方針をくみ取って店長やチーフが棚割りを現場で微調整するというイメージです。
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決定した棚割りに基づいて、「では、ここの売り場の棚にはこういった商品をこうやって陳列していきましょう。」と表にまとめた指示書があります。この指示書のことを棚割表と呼びます。棚割表は売場の陳列計画表といったイメージで構いません。棚割表に沿って商品を陳列したり、商品の配置が変更となります。棚割表には、商品の社名(メーカー名)や商品名、規格(110gなど)、フェイス数、JANコード、販売価格などが記載されています。
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スーパーマーケットはセルフサービスを導入しています。来店したお客さんが店内を回り商品を見て、自分の気に行った目当てのものを手に取り、お買い物カゴに入れ会計を行います。そのため来店したお客さんに営業マンなどの担当者がついて、例えば「今日のご予算はおいくらでしょうか?」とか「今日のおすすめの商品はこれです」などとご案内してアプローチすることはありません。
そのため決定した棚割りや棚割表はお客さんへアピールするための「店舗の意思を表したもの」、「主張」とも言えます。お買い上げ点数を上げるためにどうするか、売上を最大化するためにはどうしたらよいか、ゴールデンゾーンには何を配置するか、店舗に来店されるお客さんの求めているものやトレンドを押さえているか、お客さんの動線を意識しているか、お客さんが商品を見やすいか、買い物がしやすいかなど様々な点を考慮しています。
前出しや品出し作業中に列(フェイス)を増やしたり減らしたりしない。
冒頭でもご紹介しましたが、棚割りは売り場の陳列計画です。事前に計画を立て、計画に基づき商品を発注し売場に陳列をしています。そして決められた期間、発注、売り場への商品の補充陳列・手直し、販売、在庫管理を行い効果を測定します。その後改善のための分析検証を行っているのです。
そのため例えば一従業員が「ここに陳列しているX社の新商品チョコレートを昨日家で食べたんだが、メチャクチャ美味かった。この美味さをみんなにも知って欲しいからもう2列陳列を増やそう。」などと品出しや前出し作業中に勝手に仕切り板を動かして、フェイス数を増やすといったことはできないのです。逆にフェイス数を勝手に減らしてもいけません。また「X社の新商品チョコレートはメチャクチャ美味い。美味いのにお客さんにあまり手に取ってもらえないのはアピールが足りないからだ。棚の中の目立つ場所に配置しよう。」と品出し作業中に勝手に商品の陳列場所を変更することもできません。
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フェイス数や陳列場所を勝手に変更すると陳列量やフェイス数が変わってしまい、発注する量も変わってしまいます。これにより当初立てた計画に対する実際の効果の測定や分析が十分にできないこととなってしまいます。
最後に
簡単にいうと棚割りとは売場の陳列計画、棚割表は売場の陳列計画表のことです。
スーパマーケットでの仕事に携わると独特の用語が出てきます。これからパートタイマーやアルバイトで品出しの仕事に携わる方は、「棚割り」という用語の意味を押さえておきましょう。業務中に事務所内やバックヤード、売り場で「棚割り」という用語が出てきたら、「あぁ、陳列棚のどこに何を置くか決めることね」という程度で十分です。