各商品の売上構成比から商品全体の値入率を算出したい時は、次の計算方法で行います。
スーパーマーケットで社員やパートタイマーとして働き始めた方向けの初歩的な内容となっております。
商品全体の値入率の計算方法 相乗積を求めて合計する
1.商品に関する売上構成比と値入率のリストを作成する。
2.各商品について相乗積を求める。
A、B、C、D、Eという5点の商品がある場合、各商品の相乗積を求めます。
3.各商品の相乗積を足して合計を求める。
各商品の相乗積の合計値が商品全体の値入率となります。
下のイメージ図を参考に説明しますと、各商品の相乗積の合計は22.5%です。これにより商品全体の値入率は22.5%となります。
計算方法のイメージ図
売上構成比 | 値入率 | 相乗積 | |
商品A | 20.0% | 25.0% | 5.0% |
商品B | 30.0% | 20.0% | 6.0% |
商品C | 15.0% | 30.0% | 4.5% |
商品D | 10.0% | 20.0% | 2.0% |
商品E | 25.0% | 20.0% | 5.0% |
合計 | 100.0% | 22.5% |
商品Aの場合、売上構成比20.0% × 値入率25.0%=相乗積5.0%となります。
また、0.2×0.25=0.05 0.05×100=5.0%と求めても構いません。
そして各商品の相乗積を合計すると22.5%となります。
相乗積は商品全体の粗利益率を求めたい時にも使用できる
さらに補足として商品全体の粗利益率を求めたい場合にも使用できます。
各商品について「売上構成比×粗利益率」で掛け算を行って相乗積を求めます。各商品の相乗積の合計値が商品全体の粗利益率となります。
目標利益のシュミレーションにも使える
例えばキャスター付きの小さめの平台に商品Aと商品Bの2つの商品を陳列する計画を立てているとします。商品Aと商品Bで粗利益率の目標(予算)を20.0%としています。商品Aの粗利益率が15.0%で売上構成比が40.0%の場合、商品Bの粗利益率は何%を確保する必要があるのかを知りたいという場面にも応用ができます。
売上構成比 | 粗利益率 | 相乗積 | |
商品A | 40.0% | 15.0% | 6.0% |
商品B | 60.0% | X | |
合計 | 100.0% | 20.0% |
目標粗利益率の算出の流れ
全体の粗利益率の目標 20.0%
商品Aの相乗積は、40.0%×15.0%=6.0%
商品Bの相乗積は、20.0%ー6.0%=14.0%
商品Bの相乗積 14.0%=商品Bの売上構成比 60.0% × 商品Bの粗利益率 X
商品Bの粗利益率 X =14.0% ÷ 60.0%
X=23.3% (※小数点第2位を四捨五入しております。)
これにより商品全体で20.0%の粗利益率を確保するためには、商品Bで粗利益率23.3%を確保する必要があることをシュミレーションすることができます。