この記事は小売業の仕事で使用する季節指数や季節変動指数の意味・求め方を紹介したものです。
一般的に季節の移り変わりや天候、地域行事、例えばお盆や年末年始などの社会行事によって、同じ商品でも各月によって売上高に波・変動があります。また同じ商品の売上高については、毎年同じような波で推移する傾向にあります。
季節指数とは、ある商品に関する1年間の売上高を100%とした場合の各月の売上高構成比を示す数値です。
各月の季節指数を合計すると100%となります。
各月の季節指数を算出していくことで、同じ商品に関する1年間の売上高変動の傾向が分かります。過去1年間や2年間の季節指数を見て、翌年度の売上予算に基づき各月の売上予算を決定したり割り振りする際に活用されます。
季節指数は次の計算方法で求めます。
ー季節指数の求め方ー
季節変動指数とは、1カ月の平均売上高に対する各月の売上高を示す数値です。
1カ月の平均売上高と比較して、その月の売上高は多いのか少ないのかが分かります。そのため販売計画や仕入計画を立てる時に活用されています。
季節変動指数は次の計算方法で求めます。
―季節変動指数の求め方ー
100%を超えていると、その月の売上高は1カ月の平均売上高より高かったということが判断できます。
ーXという商品の12カ月間の売上高・季節指数・季節変動指数ー
実際に表にしてみると売上高変動の傾向が分かりやすくなります。
売上高(万円) | 季節指数(単位%) | 季節変動指数(単位%) | |
4月 | 450 | 7.5 | 90.0 |
5月 | 360 | 6.0 | 72.0 |
6月 | 270 | 4.5 | 54.0 |
7月 | 240 | 4.0 | 48.0 |
8月 | 240 | 4.0 | 48.0 |
9月 | 480 | 8.0 | 96.0 |
10月 | 540 | 9.0 | 108.0 |
11月 | 630 | 10.5 | 126.0 |
12月 | 750 | 12.5 | 150.0 |
1月 | 750 | 12.5 | 150.0 |
2月 | 690 | 11.5 | 138.0 |
3月 | 600 | 10.0 | 120.0 |
6,000 | 100.0 |
ー商品Xの12月の季節指数ー
ー商品Xの12月の季節変動指数ー
同じ商品の売上高については、毎年同じような波で推移する傾向が多いです。この点から算出した季節指数を使い、翌年度の月の売上予算を立てるという使い方もできます。
ー商品Xについて翌年度売上高を10%増とする計画をした場合ー
ー商品Xの翌年度12月の売上予算ー