先入れ先出しとは、商品の入荷した順に売り場に陳列していくことです。読み方は「さきいれさきだし」となります。この記事では、これからはじめてスーパーマーケットでパートやアルバイトとして仕事をされる方向けに、先入れ先出しを行う目的や具体的なやり方をご紹介しております。
先入れ先出しをする目的 商品の鮮度を低下させないために行う在庫管理方法
先入れ先出しとは、先に入荷した商品を先に売り場に陳列することです。先に入荷となり棚(ゴンドラ)に補充した商品から売れていくようにするために行う在庫管理・売場管理方法となります。
具体的には日付の古い先に入荷した商品について、在庫期間が長くなり鮮度が低下しないよう棚の手前に配置し、お客さんに手にとってもらうようにするものです。売場に陳列している商品の日付がいつも新しい状態で維持するための方法です。
先に入荷した商品が長い間売り場に滞留し続けると、値引きを行ったり販売期限日の経過による廃棄処分につながります。仮に廃棄処分をした場合、店舗にとっては仕入れをした商品から売上を上げ利益を獲得できないといった不都合が生じます。
また先入れ先出しを実行せず、後に入荷した商品をどんどん棚の前に陳列していくと、先に入荷した日付の古い商品が棚の後ろ側に滞留することになります。これにより後々、販売期限を過ぎた商品をお客さんが手に取り購入し後日クレームとなる可能性もあります。その結果、チーフがお客さんの自宅へ訪問して商品の交換を行うという先入れ先出しを確実に実行していれば本来は行う必要のない業務が発生します。
棚への陳列方法
品出しに伴い先入れ先出しを実行します。なお、「調味料」や小麦粉やパン粉といった「調理材料」、昆布やかつお節、干し椎茸といった「農水産乾物」などのグロサリー部門の商品を品出しする前提で話を進めます。
前回棚に補充した商品を棚から一旦取り出すと作業がしやすい
まずはバックヤードより新しく入荷となった商品を二段式台車やコンテナに積載して売り場の棚の前まで運搬してきます。
先に入荷している商品(※前回棚に補充した商品のことです。)を棚から取り出して、一旦二段式台車やコンテナの一画に置くと作業がしやすくなります。衛生面の観点から商品を店舗のフロア(床)に直に置くのは避けましょう。
二段式台車の上やコンテナの一画の中で、棚から取り出した商品について、同じ日付のもの同士をまとめておきます。常温で保存できる比較的賞味期限の長い商品が多いグロサリー部門の商品の場合、日付の異なる同一商品が同じ陳列棚に2~3種類陳列されていることが多いです。
二段式台車やコンテナに一旦移した商品は、日付のチェックや商品そのもの・商品のパッケージに破損がなく販売できる状態であるかをチェックします。日付について自社で定める販売期限を過ぎている場合は撤去する必要があります。商品のパッケージに破損がある場合は、値引きをして販売をするための処理や場合によって廃棄扱いとするケースもあるため一旦売り場から撤去することになります。
棚から商品を一旦取り出した際に、棚にホコリや汚れがある場合は、クリーナーや乾いた布などを使用して清掃をします。
続いて、バックヤードより運搬してきた新しく入荷となった商品を棚の奥から配置陳列していきます。この際、勝手に仕切り板を左右に動かさないようにします。これは棚割りによって陳列する列の数(フェイス数)が決まっているためです。
参考記事:棚割りとは|スーパーマーケット用語の意味
その後、一旦棚から取り出していた商品を新しく入荷した商品の前に並べます。
商品を2段に重ねて陳列するケースも多くあります。2段に重ねて陳列している場合、お客さんは上の段から手に取っていくことが多いです。そのため日付の古い商品は上の段に配置するようにします。
以下の品出し作業のスピードを改善する方法を紹介した記事も併せてご参照ください。
参考記事:スーパーの品出しスピード|早くする方法は両手を使う
またプライスカードやPOPが設置されているか確認をし、陳列した商品とプライスカード・POPに表示されている商品名が一致しているかチェックをします。プライスカードやPOPが曲がっている場合は手直しを行います。