売上ABC分析とは、商品を売上高の高い順に並べて3つにランク付けし、売上高上位の商品や販売効率の高い商品を把握するためのものです。
フェイスを拡大して目に付きやすい場所で販売するなど重点的に販売すべき商品や品切れの防止を徹底するなど重点管理すべき商品をつかむことができます。
売上ABC分析の手順・計算方法
仮に11月のドレッシングの売上高が20品目で合計100万円であったとします。その場合の売上ABC分析のやり方・計算方法を表を使って紹介していきます。
順位 | 商品名 | 売上高 | 売上高構成比 | 累計構成比 | ランク |
1 | あ | 350,000円 | 35% | 35% | A |
2 | い | 200,000円 | 20% | 55% | A |
3 | う | 150,000円 | 15% | 70% | A |
4 | え | 90,000円 | 9% | 79% | B |
5 | お | 60,000円 | 6% | 85% | B |
6 | か | 50,000円 | 5% | 90% | B |
7 | き | 40,000円 | 4% | 94% | C |
8 | く | 30,000円 | 3% | 97% | C |
9 | け | 20,000円 | 2% | 99% | C |
10 | こ | 5,000円 | 0.5% | 99.5% | C |
11 | その他10品 | 5,000円 | 0.5% | 100% | C |
合計 | 1,000,000円 | 100% |
各商品を売上高の多い順に上から並べていきます。この表の場合、11位以降はその他10品とし、下位の商品は省略しています。売上高1位はドレッシング20品目の中の「あ」という商品です。
各商品の売上高構成比を求めていきます。ドレッシング「あ」の売上高構成比は、(売上高350,000円÷ドレッシングの合計売上高1,000,000円)×100=35%となります。
売上高構成比を表の上から順番に足していき、累計構成比を求めます。
累計構成比70%までをAランク、70%から90%をBランク、それ以外はCランクとします。
この表から、取り扱っているドレッシング20品目の中の上位3品目で、70%の売上構成比があることが分かります。
各ランクの対策や特徴は次のものが考えられます。
ーAランクー
Aランクの商品が最も重点的に管理する対象になります。
陳列場所・スペースをしっかりとり、目につきやすい場所でフェイスをとって販売する。
品切れ・品薄の防止を徹底する。
ーBランクー
POPを使って商品をPRする。
陳列する場所を変えてみる。変えるとAランクになる可能性がある。
季節によってAランクになる商品。
ーCランクー
類似商品の導入を検討する。
品揃えからのカットを検討する。
値下げをして一定期間様子を見る。それでも売れない場合は品揃えからカットする。
新商品の場合は一定期間陳列して様子を見てみる。
先程紹介している表を使い行った売上ABC分析をグラフ化すると次のようになります。