個人事業主(フリーランス)として事業を始める際、事業を開始した日から1ヶ月以内に管轄の税務署へ開業届を提出する必要があります。
この記事の筆者である私は、2023年1月に開業届を税務署へ提出しました。私ははじめに税務署のホームページ内から開業届をダウンロードして、手書きを試みました。
開業届に記入する項目はそれほど多くありません。しかし、行政機関へ提出する書類によく出てきがちな専門用語や堅い言葉を多く目にし、書き方をネットで調べることにしました。ネットで書き方を検索していた際に発見したのが、freee開業というサービスです。
freee開業とは、個人事業主の開業届とその関係書類(所得税の青色申告承認申請書や給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書など)、控えをネットで作成できるWEBサービスです。
料金は無料で利用することができます。
freee開業 公式サイトより
freee開業から投げかけられる質問に対し、サイト内のガイドや簡単な解説を見ながら回答をしていくことで、個人事業主の開業届と関連書類、控えを作成することができます。
この記事では、実際にfreee開業を利用して書類を作成し、税務署へ提出した体験を踏まえて、freee開業の実際の利用の流れ・手順の他、「freee開業をおすすめする理由・利用して感じたメリット」、「利用にあたって押さえておくべきこと・注意点」を紹介しております。
freee開業を使用することで、無料で専門知識がなくても書類を作成することができました。利用にあたり自分のメールアドレスを登録したり、自分の電話番号を入力しましたが、後になって利用料金を請求されるようなこともありません。
実際に利用してみると分かりますが、拍子抜けするくらい簡単に書類の作成ができ、おすすめのソフトです。
freee開業をおすすめする理由・利用して感じたメリット
■サイト内でfreee開業からの質問に対し、回答(自分の情報や必要事項)を入力していくと、オンラインで開業届と関連書類が完成する。※完成した書類の印刷が必要。※質問内容が分からない場合でも30字~40字程度のガイドや専門用語が少ない説明が表示されるので、入力についてほぼ迷わない。
■書類の書き方について、インターネットで検索したり書籍を購入して調べる作業をしなくてもよい。
■税務署の窓口へ出向いて書類の書き方を聞かなくてもよい。
■行政機関のホームページに出てきがちな「堅い言葉」「専門用語」「○○法○○条○○項に基づいてどうたらこうたらといった法律特有の言い回しや用語」「長文」を目にし、戸惑ったり書類の書き方について悩むことがなくなる。
■自分の住んでいる都道府県に何か所か税務署がある場合、自分がどこの税務署に開業届と関連書類を提出したらよいか示してもらえる。「書類をどこに出すのか」について迷わなくてもよい。
■家族や従業員に給与を支払うか否か、青色申告にするか否かなど自分の状況に合わせた関連書類も同時に作成できる。提出すべき関連書類を示してくれる。
■開業届と関連書類を行政のホームページにアクセスしてダウンロードしなくてもよい。
利用するにあたって押さえておくべきこと・注意点
■必要事項の入力を終えて印刷した書類に「認印を押す」・「提出日を記入する」・「マイナンバーを記入する」という作業を自分で行う点
■完成した書類の税務署への提出(税務署窓口への持参または税務署への郵送)は自分で行う必要がある。freee開業に必要事項の入力を完了したとしても、税務署への開業手続が完了した訳ではない点に注意が必要。
デメリット
デメリットは正直見当たりません。
なんとか粗探しをするとすれば、サイト内の最終ページで、確定申告時に使用する会計ソフトfreeeの利用案内やクレジットカード、銀行口座の作成案内、印鑑の作成案内といった今後の事業運営がスムーズになるツールの利用案内がある程度です。
これらのツールは必要であれば購入して導入すればよいですし、必要性を感じなければ利用しなくても構いません。無料で使えるfreee開業の利用のみでとどめておくことでもまったく問題ありません。
利用の流れ・手順
はじめにfreee開業にアクセスします。
公式サイト:freee開業
トップページに移動しますので、「開業書類を作る(完全無料)」または「無料で始める」を選択します。
freee開業 公式サイトより
メールアドレスを入力してパスワードを決定する。
次の画面で「メールアドレス」「自分で決定したパスワード」を入力します。
続いて利用規約、プライバシーポリシー、電子決済等代行業に係る表示を選択し、内容を確認したら「同意して登録する」を選択します。
1ページ目はfreee開業からの質問に回答をしていく
メールアドレスと決定したパスワードを入力して登録すると、1ページ目(準備というページ)へ移動します。
1ページ目ではfreee開業から質問が投げかけられます。質問に対し回答(自分の情報や必要事項を入力)をしていきます。
回答をしたら「保存」を選択します。
回答をする内容
申請者の情報
■姓名とフリガナ
■生年月日
■郵便番号と住所
■電話番号
仕事をする場所はどこか
■「自宅で働く」「お店を開いて働く」「事務所を開いて働く」「その他/決まっていない」の4つの中から選択します。
どのような仕事をする予定か
■仕事の種類(記載されている選択肢の中から当てはまるものを選択します。自由入力することもできます。)
■仕事の概要(記載されている選択肢の中から当てはまるものを選択します。自由入力することもできます。)
屋号について
■屋号をつけるか否か
■屋号をつける場合は、「屋号」と「屋号のフリガナ」
事業開始日について
■事業開始日を入力します。
収入の種類
■「事業所得」「不動産所得」「山林所得」の3つの中から選択します。
事業主以外の従業員について
■「今はいない」「従業員に支払う」「家族に支払う」「家族と従業員に支払う」の4つの中から選択します。
確定申告の種類
■「青色申告 55万円控除」「青色申告 10万円控除」「白色申告」の3つの中から選択します。
回答を終えたら「次へ」を選択
質問への回答を終えましたら「次へ」を選択します。
これで1ページ目は終了となります。
公式サイト:freee開業
2ページ目へ移動すると書類がほぼ完成する。
2ページ目(提出というページ)へ移動します。
2ページ目では、1ページ目で行った回答や入力した自分の情報を元に次の内容を確認することができます。
■書類の提出先(書類を提出する税務署名や住所、電話番号)
■自分が税務署へ提出する書類の名称、申請にあたり準備するもの
(※持参で提出・郵送で提出・電子申請のうち、どの提出方法を行うかによって、準備するものが変わります。スマートフォンから電子申請する場合は、カード読み取り対応のスマーフォンが必要となる、パソコンから電子申請する場合は、カードリーダーが必要となるなど提出方法により準備するものが異なってきます。)
■書類の提出の仕方
■完成した書類の確認・出力
2ページ目へ移動すると1ぺージ目で行った回答や入力した情報が反映され、提出する書類がほぼ完成しています。
自分の提出する書類がPDFで出力できる状態となっています。
③の「書類を確認しましょう」欄の「書類を確認する」を選択すると、書類(開業届・関連書類・控え)がPDFで出力されます。
PDFを出力して印刷しましょう。
freee開業 公式サイトより
書類を印刷して、「提出日」「マイナンバー」を書き加え、認印を押して書類を完成させます。
また書類をPDF出力した時に、宛先と差出人のラベルも出力されます。郵送で提出する際は、切り取って封筒に貼り付けて使うことができるので便利です。下の画像もご参照ください。
出力される書類の1ページ目を印刷したものです。
1ページ目と2ページ目を利用することで書類をほぼ完成させ印刷ができる。
1ページ目と2ページ目を操作することで、開業届とその関連書類、控えの作成をほぼ終えることができる構成となっています。あとは「提出日」「マイナンバー」を書き加え、認印を押すだけです。
1ページ目で書類を作るための回答をし、2ページ目で書類を出力して印刷するというシンプルな構成です。
質問に回答したり、自分の情報をへ入力するだけで、簡単に開業届と関連書類、控えをほぼ完成させることができます。
ページ下の「次へ」を選択すると3ページ目へ移動します。
関連記事:freee開業で作成した開業届の郵送方法や日付の記入方法
公式サイト:freee開業
3ページ目 freeeの取り扱い商品のご案内
3ページ目(始動のページ)は、個人事業を行っていくにあたり事業運営がスムーズになるfreee取り扱い商品の案内が記載されています。
確定申告を行うための会計クラウドソフト会計ソフトfreeeや事業用クレジットカードや事業用銀行口座の作成案内、契約書や請求書の作成時に使用する印鑑の案内です。
3ページ目に記載されている商品については、料金やサービス内容などに納得したうえで、必要であれば導入しましょう。
なぜ料金を無料で提供しているのかを考えてみた。
これから個人事業主となる方へfreee開業という役立つWEBサービスを無料提供しているのは、以下の点からだと考えます。
■freee開業を提供する「freee株式会社」をこれからビジネスをする多くの人に知ってもらいたい。
■freee株式会社が提供している個人事業主の事業活動をスムーズに進めるための他のツールを知ってもらうきっかけを作りたい。
■会計ソフトfreeeやfreee販売など株式会社freeeが販売するソフトの販売見込み先を確保しておきたい。
freee開業自体は、完全無料で利用することができます。
冒頭でも紹介しましたが、後日になってfreee開業の利用料金を請求されるようなことはありません。利用を迷われている方は、あまり考え込むことなく是非とも試してみて欲しいおすすめのソフトといえます。
公式サイト:freee開業
関連ツールの使い方を紹介した記事:弥生のかんたん開業届の使い方を手順を追って紹介
個人事業主向けの帳簿の付け方関する記事:個人事業主で帳簿の始め方・付け方が分からないなら|会計ソフトの取引入力で解決できる!
\個人事業主の開業届と関連書類を「無料」「簡単」に作成することができます。╱