インストアマーチャンダイジングとは、来店したお客さんにスーパーマーケット店内の様々な売り場を周ってもらい、売り場に引き寄せ、商品を手にとってもらうことを意図して行う技術のことです。
まず目を留めてもらうことが大事
お客さんが商品や売り場に目を留めなければ、売り場に立ち寄ることはありません。またその先の商品を手に取ってもらうことにつながりませんよね。
そのため、まず商品や売り場に目を留めてもらうことが必要です。目を留めて引き寄せるための商品や売り場を店内の様々な場所に配置することで、お客さんにくまなく店内を周ってもらうことにつながります。
ポイントとなる売り場は、「①メイン通路沿い・②メイン通路の突き当たるエリア・③メイン通路沿いやレジ前通路沿いのエンド・④サブ通路内の一画」といった磁石売場です。
参考記事:磁石売場とは|スーパーマーケット用語
磁石売場には、売れる商品や使用頻度の高い商品、季節感を感じさせる商品、広告の品、お買い得商品、メーカーの新商品、大量に売れる定番商品を主に配置していくことになります。これらの商品を配置していくことで、磁石売場を通過してもらうように誘導をします。
さらに周囲と比べて目立つ陳列をしたり、看板・パネル・POPなどの販促ツールを使用し、お客さんの目を引くよう演出をします。
お客さんの店内滞在時間を延ばす
上記のことを積み重ねることで、お客さんの店内の滞在時間を長くし、各売り場に立ち寄る機会を増やしていきます。商品を見る機会を増やして購入につなげていきます。
当初購入予定になかった商品も購入してもらおうということですね。滞在時間が増えるほど購入していただく可能性は高まります。さらに配置している商品と関連のある商品を陳列して販売することで、お買い上げ点数を増やしていきます。この関連販売の事をクロスMDと呼びます。
店舗としては、お客さんが購入を予定していた商品だけを手に取ってすぐレジに向かい、退店してしまうことを危惧しているのです。
店舗はお客さんを意図的に誘導するように計画を立てている
店舗側は、お客さんを店内の色々な売り場へ意図的に誘導するためにある程度計画を立てているということです。1つの事例としては次のような流れです。
お客さんに店舗入口を入ってからメイン通路を歩いてもらうようにするため、メイン通路沿いによく売れている商品や使用頻度の高い商品を配置する。そしてメイン通路が交わるエリアまでお客さんに足を運んでもらうため、メイン通路の交わるエリアに店内BGMと異なるBGMを流し、パネルなどの販促ツールの設置を組み合わせて季節を感じさせる商品を配置したり、広告の品を配置する。
そこから少し歩いたメイン通路沿いにエンドには、メイン通路沿いの多段ケースに配置した広告の品と関連のある商品を陳列したり、メーカーの新商品をダンボールカットして大量に陳列する。
さらにエンドからサブ通路内を注目させるため、サブ通路内には、メイン通路からも目立つパネルやPOPを付けてサブ通路内に誘導するきっかけを作る。サブ通路内には、大量に売れるメーカーの定番商品や価格均一商品を配置するといった具合です。